うちの親は養鶏場の責任者でした。
親がそういう仕事だとなかなか他の人はしないすごいことを経験します。
今にして思えばよい経験であり、よい思い出です。
思い出①唐揚げ
夕飯で唐揚げ食べるぞっていう日は父親が雄の鶏を養鶏場の敷地の隅のほうに何匹か連れてってつぶします。養鶏場に来るひよこって事前に選別されているので基本的に雌です。卵を産ませるわけなので。テレビとかでひよこの雄雌の選別してるところ見たことないですか?職人さんがものすごい速さで尚且つ正確に選別するのですが、それでも何匹かは雄が混じります。ひよこの時はわからないのですが成長してきてトサカが目立ってくると雄だとわかるので、雄だけを他のゲージに入れておきます。その雄が食卓に唐揚げとして並ぶわけです。ついさっきまで生きていたのが絞められ(羽をもがれ、足とかを切られて)肉だけの状態になって台所に届けられます。この作業は父親の仕事でした。父親からはその作業中は絶対に近寄るなって言われてました。見ちゃうと食べられなくなるって思ってたんでしょうね。それを母親が唐揚げにします。だから唐揚げがとにかくデカい。K〇Cとかのよりももう一回り大きい感じのが大皿にドカッと出てきます。それを家族4人で食べます。それが普通だと思ってましたけど、今思えばめちゃくちゃ美味かった。そうですよね、肉の新鮮さが違いますもん。でも当時はテレビでやってる冷凍食品の小さな唐揚げとかK〇Cのチキンとかを食べてみたくてしょうがなかったです。当たり前ですけど親は冷凍食品の唐揚げなど買ってくれません。田舎町だったのでK〇Cなんて無くて、買いたくても買えません。遠足とか行くときは、お弁当に親が唐揚げを入れてくれるんですが、お弁当箱に入れるんじゃないんです。足の部分のデカい唐揚げをアルミホイルで包んで、弁当箱の上に乗せて持たせられてました。しかも二本とか。一緒にお弁当食べてた友達がそれを見て「なんだ、それ?」ってなって恥ずかしかったです。今だったら「スゲー美味いんだぞ」って自慢します。小学生だと周りと違うのって恥ずかしかったりしますよね。今のとなっては懐かしき、よい思い出です。